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人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の罪過:カロリー計算能力の混乱)


人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の罪過:人体への危険性)で、人工甘味料の「人体への危険性」を例に出したが、人工甘味料の罪過としてもう一つ、憶測の域をでないが「カロリー計算能力の混乱」という事があり得るかも知れないという事も論議されている。
 
肥満が国家問題となっているアメリカの、シュガーレス・ソフトドリンクの愛用者は、1987年の7千万人弱から2000年には1億6千万人に倍増した。 ところが、不思議なことにこの間に一人あたりのレギュラー・ソフトドリンク(砂糖入り)消費量が年間で15ガロン(56リットル)も増加している。
 
この謎に対して研究をした結果、アメリカのパーデュー大学の研究者による「肥満問題へのパブロフ的アプローチ」で、ヒトは成長期に「味覚と食べた時の感触で高カロリー食品を認識していく」との論文を発表している。甘くても低カロリーのものに慣れてしまうと、砂糖とバターで作ったお菓子やチョコレートなども、「からだ」は安全な食品として無意識に判断するようになるという仮説である。
 
この研究は、「パブロフの犬」の条件反射の実験を肥満問題に応用したもので、時折、「甘いものを食べたい」という欲求は、体が栄養補給を求めているサインであり、高カロリーの甘いものを食べれば、栄養は体に吸収されて満足感を覚え、「甘いものを食べたい」という欲求が収まる。しかし、「甘いものを食べたい」欲求の時、人工甘味料を使用した低カロリーの甘いものを食べれば、栄養は体に十分に吸収されず満足感が少ない。満足感が少なければ「甘いものが食べたい」という欲求は満たされず、物足りなさとなってさらなる欲求を出す。味は舌で感じ、カロリーは体内で吸収されるという体の構造上、そうなってもおかしくはない。
 
その状態に慣れてしまうと、「甘いものを食べたい」時に高カロリーの甘いものを食べても、なかなか満足感が満たされなくなり、結果甘いものを食べすぎるという事になる。シュガーレス・ソフトドリンク愛用者が物足りなさを感じレギュラー・ソフトドリンクに変えた時、頭ではレギュラー・ソフトドリンクは満足できる飲み物として認識しているが、「甘いもの=満足感が少ないもの」として条件反射的に体が覚えているので欲求はなかなか解消されず、シュガーレス・ソフトドリンクの愛用者は増えたものの、一人あたりのレギュラー・ソフトドリンク消費量も増えたと考えるのは想像に難しくない。
 
※「パブロフの犬」:イヌにベルを聞かせ、イヌにえさを与える。イヌはえさを食べながら唾液を出す。これを繰り返すと、イヌはベルの音を聞いただけで、唾液を出すようになる。
 
人工甘味料はからだに備わったカロリー計算能力を狂わせてしまう可能性があるといった実験もなされており、人工甘味料でカロリーの無い甘味に慣らされたネズミと、粘度のない高カロリー液で飼育されたネズミは、普通の食事を自由に与えられると明らかに肥満してしまう。
 
人工甘味料の「カロリー計算能力の混乱」の研究は、まだ論議されている最中で世界的に認められているワケではないが、少なくとも人工甘味料の発癌性よりは信憑性のある罪過であり、肥満が国家問題となっているアメリカでは研究が進められている。
 
補足として、この研究が認められれば、ほぼゼロカロリーである人工甘味料は「カロリー計算能力の混乱」を顕著に受けることになるが、ショ糖(砂糖の主成分)の60%のカロリーの天然甘味料である「キシリトール」や、砂糖の200~300倍の甘さを持つ「ステビア」なども、甘さと吸収量に差がある為「カロリー計算能力の混乱」が起こり得ることになる。
 
余談になるが、「砂糖はなぜ甘いのか?」という素朴な疑問に対し、近代科学は非常に面白くない回答を示している。「甘くないと感じた種族は滅んでしまったから」。つまり砂糖のようなエネルギーの高い食べ物を甘い(=美味しい)と感じて好んで摂取した種族だけが、厳しい生存競争に生き残ることができたという理屈がある。
 
自然な本能として「甘いものを欲する」ことがあるなかで、人類の発展とともに大量の食料が供給されるようになるとカロリーは昔ほどの意味を失い、逆に過剰なカロリーが健康を蝕むような事態が起こりはじめた。ここに来て人間は今までの進化の過程では考えられない「不自然な嗜好」から生まれたカロリー抑制の為の人工甘味料は、「究極のカロリー抑制方法」と言える。
 
肥満解消の為に開発された、「ゼロカロリー」の人工甘味料を使ったダイエット食品・飲料だが、皮肉にも研究が認められれば、ダイエットとしてゼロカロリーの物は適切ではないということになる。

 

人工甘味料の功罪特集記事 ~目次~


人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の概要)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の歴史)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の功績)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の罪過:人体への危険性)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の罪過:カロリー計算能力の混乱)
 
■人工甘味料の種類
・ サッカリン
・ アスパルテーム
・ チクロ
・ アセスルファムK

 

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