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人工甘味料の種類:「アスパルテーム」


人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の歴史) で、大まかに人工甘味料の説明をしましたが、当項目では現在使用されている、個々の人工甘味料の種類について詳しくまとめています。
 
アスパルテームとは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという2つの天然アミノ酸が結合したもので、アミノ酸由来の人工甘味料の一つ。アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物とも表記される。1966年にG.D.サール社の研究者ジェイムズ・シュラッターにより発見され、味の素株式会社が製造特許を取得した。現在G.D.サール社は利用特許のみを所持するだけで、実際に原料を作っているのは味の素である。
 
現在、アスパルテームは甘味料として清涼飲料水、菓子など広く使われている。また、吸収されるカロリーがほぼゼロに近い為、使用されているものは「ノンシュガー」、「ゼロカロリー」といった名前が付いている場合が多い。なおエステルであり加水分解されるため、酸性の水溶液(炭酸水など)には不安定である。ダイエットコーラが(コカコーラゼロではない)、賞味期限が近くなってくると徐々に甘みが無くなるのはこの為。
 
米国食品医薬品局(FDA)の審査では、経口摂取されたアスパルテームの大部分が分解も代謝をも受けずに体外に排泄されるという結果が出ている。したがって生理的熱量は極めて小さく、また調味料として普通に使う量では急性毒性や慢性毒性の問題が起こらないと認可されている。
 
アスパルテームをめぐる論議はFDA史上最大と言われ、今なおその論議は行われている。また、最初はFDAもアスパルテームを承認しなかったのであるが、FDAはやっきになって有害性を実証しようとしたにも関わらず、結局問題点は見いだせず認可せざるを得なかったという経歴がある。論議した人が多い事に比例して実験結果も数多くあるので、世界中の研究者がその毒性を証明できないという事は、逆に安全である事を証明しているとの見方もできる。
 
発癌性が見られた実験に限るが、実験内容がいいかげんだったり、実験内容を公表しなかったり信憑性に欠けると言わざるを得ない。反対に、発癌性が無い事を証明する実験では、科学的に有効性が確認されている発がん性試験ガイドラインに沿った試験法では、アスパルテームに発がん性は認められていない事や、イタリアで7000人以上を対象に行われた症例対照研究でも、アスパルテームを含む人工甘味料に、発がん性は認められなかったなど、信頼性のある実験結果が並ぶ。また、現在では広く普及しているにも拘らずがん患者の増加なども見られないことから、実験結果・事実共に安全であると言える。
 
アスパルテームが今もなお論議されている理由は、発癌性の可能性が限りなく否定されてくると、「催奇形性」、「環境ホルモン作用」などの根拠もない疑似科学を並べたり、既に証明されている「フェニルケトン尿症」への危険性を謳ったりと話題が尽きる事がないからである。
 
アスパルテームは体内で「メタノール」、「アスパラギン酸」、「フェニルアラニン」に完全に代謝される事は既に分かっているので、どう見ても「環境ホルモン」となりうる可能性が無いことや、それによる「精子減少」や「早産・流産率の増加」などが、アスパルテームが原因による可能性は全く無い事が分かる。フェニルケトン尿症患者への危険性についても、問題となるフェニルアラニンは必須アミノ酸であるので、牛乳やタンパク質に普通に含まれており、フェニルケトン尿症患者はフェニルアラニンを含む食品として、牛乳や高タンパク食品同様に気をつければ良いだけの話である。食品メーカーでは既に成分表示に「甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)」というように、フェニルアラニンが化合されていることが分かるように表記している。
 
唯一、「メタノール」の危険性は全世界でも認知されているが、コーヒー1杯に入れるアスパルテーム由来のメタノールの量は数mg程度である。メタノールでの人間の最小致死量は、経口摂取で300mg~1000mg/kg程度であるとされており、体重70kgの成人であれば、21000mg~70000mgに相当し、約10000杯のコーヒーを飲むのに相当する。カフェインの致死量が、コーヒー約29.1杯~96.9杯に対して、アスパルテームに化合されているメタノールが、明らかに毒性があるほどの量ではないことが分かる。もちろん、致死量は一度に摂取した場合であるので、飲んだ後、数時間程たつと代謝され毒性は低くなる。
 
後、ほぼゼロカロリーであるアスパルテームの味としては、ダイエットコーラが良い例だが、「甘いが味気ない」の一言につきる。しかし現在では改良も進み、人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の歴史) でも紹介したが、「コカコーラゼロ」は、アスパルテームとアセスルファムKをブレンドし、「ペプシNEX」はアスパルテーム・アセスルファムKに、レモン果汁を加える事で、味の弱点を克服している。

 

人工甘味料の功罪特集記事 ~目次~


人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の概要)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の歴史)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の功績)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の罪過:人体への危険性)
人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の罪過:カロリー計算能力の混乱)
 
■人工甘味料の種類
・ サッカリン
・ アスパルテーム
・ チクロ
・ アセスルファムK

 

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